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ガンの原因は肉食でなく変性した食品

  尿断食と尿すり込みにより、数多くの難病治療に成功したJ . W . アームストロング氏は、その著書の「腫瘍とガン」の節の中で、ベジタリアンの人の方が、肉食者よりもガンに罹患しにくいことを認めながら、肉食がガンの真の原因ではなく、マカロニなどの加工された小麦食品、澱粉質の食べ物の過剰、蒸す代わりに茹でることでビタミンやミネラルを失った食品、精白された小麦、缶詰の肉など、いわゆる「変性した食品」を食べ続けた事が、ガンの真の原因であろうと推察しています。洞察力のあるベジタリアンは、新鮮な野菜を中心とした食事をとるため、ビタミンとミネラルを含む生命力の溢れた食事を摂っていて、ガンになりにくいと推定される一方、同じくベジタリアンと言っても、上述のような「変性した食品」を多く摂る人においては、ガンを含む慢性疾患に罹患する場合が多いと結論づけています。

 

  食養内科医としての私の立場からも、この観察と推理は極めて適確なものと思われます。人体に老廃物や毒素を蓄積させずに、十分な代謝機能と排泄機能を維持するためには、普段の食生活で、人体に必要とされる13種類のビタミンと16種類の必須ミネラルを適切に摂りながら、量と質において、消化と排泄に負担をかけない内容の食事を摂ることが基礎になります。また、そうでありながら、腸内の乳酸菌、ビフィズス菌などを維持するためには、一定量の食物線維も必要となるため、新鮮な野菜や根菜類など、あまり加熱調理されていない野菜を中心とした食事が、この条件を満たすことになるからです。

 

  また、私が食事指導を行うようになって、改めて明瞭に理解した、老人や慢性疾患の患者さんに対して行われている現代医学の誤りに関する認識と同じく、アームストロング氏は、「病気の人に “体力を保つために” 食べる事を強制するやり方は、多くの死に対して責任がある。食物は、すでに有害物質で一杯になっている病気のからだによっては、消化・吸収されない。私の治療における、病人のための唯一の “食物” は尿であって、それは他のものがやれないような仕方で、からだの組織を置き換えるという機能を持っている。薬物に関していえば、有毒物質を含んでいる多くの薬品は、それに対する解毒剤が存在しないという深刻な累積的効果を持っている。」という事を繰り返し述べています。私もこの意見に全面的に賛成です。入院中の誤嚥性肺炎の多くが、患者さんの胃腸と臓器で消化しきれない食べ物を、高齢者への給食として、あるいは、経管栄養を通じて提供している「病院食」によってもたらされています。

 

  涙、鼻水、よだれ、嘔吐、吐く息、汗、排尿、排便、下痢、経血、精液など、すべての身体からの排出物と、発熱などによる燃焼反応は、身体内に過剰に蓄積した老廃物と毒素を排泄しようという反応であり、発熱は通常の状態では分解出来ない蓄積毒を高体温のもとで分解しようという試みであるという事が言えます。蓄積毒素を分解排泄しようとしている身体に、消化吸収の負担をかければ、「消化は排泄を阻害する」という生理学の原則のとおり毒素の排出が阻害され、治るはずだった疾患までも、回復困難となり、ついには死に至ります。総合病院での入院治療などで、このような事態がしばしば見受けられます。発熱を解熱剤で抑制し、嘔吐を吐き気止めで止め、下痢を下痢止めで止めてしまえば、熱による分解も、嘔気嘔吐により食事を減らす事も出来なくなり、下痢という極めて有効な毒素排泄経路も塞がれて、肺炎の発生や増悪がもたらされることも当然の結果と言えるでしょう。

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